連城三紀彦【変調二人羽織】
連城三紀彦 著
税込価格: http://www.bk1.jp/product/03227988)
出版 : 光文社
ISBN : 978-4-334-74714-5
発行年月 : 2010.1
利用対象 : 一般
戻り川心中(06.02.19)以来ずっと連城三紀彦のファンだ。
この短編集も、その連城ワールド満載である。表題作【変調二人羽織】は、著者のデビュー作。
まずは出だしから、絵画を見るような始まりである。大晦日の東京にあらわれた、一羽の鶴。それは吉兆か、それとも凶兆だったのか。
その同じ日に死んだ一人の変哲者の落語家にまつわる話は、読者をぐいっと引き込んで行く。シンプルではあるがきっちりとした伏線があり、それは映像として読者の目に残る。
【ある東京の扉】は、トリックがやや苦しいなと思わせておいての、逆転劇。
【六花の印】は、明治時代と現代とを交互に描く。方やお抱え人力車の車夫、方や自家用車の運転手と それぞれの主の話。過去と現在を行ったり来たりしつつ、ほぼ同じ状況で話が続く。
落ちは、人力車の車夫が現在に影響を与えていた点だろうか。
【依子の日記】は、ちょっと頂けなかった。ネタバレになるが、二重三重の裏切りは少々くどい。
変調二人羽織
2010年1月20日1刷発行
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