片山恭一【満月の夜、モビィ・ディックが】
片山 恭一 著
税込価格: ¥500 (本体 : ¥476)
出版 : 小学館
ISBN : 4-09-408070-8
発行年月 : 2006.3
利用対象 : 一般
大学生の主人公・鯉沼、恋人・香澄、謎の友人・タケルの3人を軸に、「自分の好きになった相手が、とりわけ抱えている闇が深く、果てしない場合には愛し続けることができるだろうか」を主たるテーマに展開する青春恋愛小説。
著者は、【世界の中心で、愛をさけぶ】を書いた人だとか。
主な登場人物は、三人。
警察官だった父親が浮気のあげく家を出ていき、母親は神経を病み、妹は半ば家出をしているという家庭環境の大学生、鮭沼健一。
モーツァルトとバス釣りを愛し、食べるものには非常に気を遣っている。
そのバス釣りで懇意になった、タケルという画家。と、その愛猫サムネール。
健一の同級生だが、ガーデンパーティーが縁で親しくなった風嶋香澄。
この三人が織りなす、誰にでも経験のあるような、だが少々他には見られないような青春物語。
しかし、ほとんどがその視点から描かれる健一の生活はある程度描かれているが、あとの二人には解らない部分が多い。
香澄は恋人ではあるが、健一はその距離感がつかめなくていつも焦る。
特に両親の結婚生活を見ているだけに、今一歩に自信が持てない。
そんな中でも、一つ一つの体験が二人を親密にさせるどころか、謎を増やしていく。
三人で出かけた旅の途中で遭遇した「夜神楽」。
次の日に同じ場所で見た日の出。
冬の真夜中のスケートリンク。
そして唐突に、香澄の自傷事件とタケルの失踪。
だが、それをきっかけに健一は香澄との距離を縮めたようでもある。
満月の夜、モビィ・ディックが
2006年3月1日初版第1刷発行
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