道尾秀介【龍神の雨】
道尾 秀介 著
税込価格: 662円
出版 : 新潮社
ISBN : :978-4-10-135553-5
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般
【大藪春彦賞(第12回)】事故で母を失い、継父と暮らす蓮と楓。継母とささやかな生活を送る辰也と圭介。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は妹を酷い目に遭わせたから…。暗転する事件の果て、2組の子どもたちがたどり着いた慟哭と贖罪の真実とは?
梅雨に入った。雨というのは、人の心を陰鬱にさせる。
ソロモンの犬(10.06.10)でもそうだったのだが、本書は一層これでもかこれでもかと、雨の描写が続く。
「雨の中」彼は決心し、雨が一つの犯行を予防し、違う犯行を生む。
「雨の中」もう一組の兄弟は、継母への面当てに万引きを企む。
この二組の兄弟(兄妹)の運命を、「龍神の雨」がもてあそぶ。
父が亡くなって再婚した母も亡くなり、継父と取り残された兄妹。
その父との交流は、まったくない。
母が亡くなって再婚した父も亡くなり、継母と取り残された兄弟。
兄は、継母に絶対に心を開こうとしない。
最期は突き放されたような終わり方だが、橋本満輝氏の多すぎる解説にもあるように、希望的観測がないわけでもない。
読んだ者の受け取り方だが、絶望のままではなく、希望へ繋げたい、この若者たちを!
龍神の雨
平成24年2月1日発行
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 11月の読書メーター(2023.12.01)
コメント