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2012.06.18

道尾秀介【龍神の雨】

龍神の雨

龍神の雨道尾 秀介 著
税込価格: 662円
出版 : 新潮社
ISBN : :978-4-10-135553-5
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般

【大藪春彦賞(第12回)】事故で母を失い、継父と暮らす蓮と楓。継母とささやかな生活を送る辰也と圭介。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は妹を酷い目に遭わせたから…。暗転する事件の果て、2組の子どもたちがたどり着いた慟哭と贖罪の真実とは?

梅雨に入った。雨というのは、人の心を陰鬱にさせる。
ソロモンの犬(10.06.10)でもそうだったのだが、本書は一層これでもかこれでもかと、雨の描写が続く。

「雨の中」彼は決心し、雨が一つの犯行を予防し、違う犯行を生む。
「雨の中」もう一組の兄弟は、継母への面当てに万引きを企む。

この二組の兄弟(兄妹)の運命を、「龍神の雨」がもてあそぶ。

父が亡くなって再婚した母も亡くなり、継父と取り残された兄妹。
その父との交流は、まったくない。

母が亡くなって再婚した父も亡くなり、継母と取り残された兄弟。
兄は、継母に絶対に心を開こうとしない。


最期は突き放されたような終わり方だが、橋本満輝氏の多すぎる解説にもあるように、希望的観測がないわけでもない。
読んだ者の受け取り方だが、絶望のままではなく、希望へ繋げたい、この若者たちを!


龍神の雨
平成24年2月1日発行


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