内田康夫【平家伝説殺人事件】
内田 康夫 著
税込価格: 660円
出版 : 廣済堂あかつき
ISBN : 978-4-331-61391-7
発行年月 : 2010.3
利用対象 : 一般
高知行きのフェリーから男が転落死した。そして2年後、東京・高田馬場で男がマンションから転落死をした。一見無関係な二つの事件だが、探偵・浅見光彦は、友人のフェリーの航海士から、死んだ二人の男が2年前の事故の折りに同船していたと告げられ、調査に乗り出した。
上記ではない別の紹介文にある「不動の人気を誇るシリーズ1の名ヒロイン・稲田佐和が登場」で、多分読んでないのではと思ったのだが、既読本だった。
以下、若干のネタバレあり。
それは、「プロローグ」での「タロちゃん」という呼び名から思い出した。そして、一応の結末は知っているのだが、どうしてそういう「入れ替わり」が出来たのかということ(即ち最も肝心なポイント)は、どうしても思い出せなかった。ので、最後まで読んでしまう羽目に陥った。
しかし、名古屋で昭和34年の秋といえば即思い出す伊勢湾台風について、浅見は一顧だにしない。これは重大ポイントなので、著者は意識的にそうしているのだろうが、やはり隔世の感ありというところか。
本書は、浅見光彦が探偵としてデビューした作品ということのようだ。
しかも、終わり近く、浅見は本書のヒロイン稲田佐和と将来を約束している節がある。
ところが、これから続く浅見シリーズでは、いつまでも実家の居候なのである。これは著者の「勝手な」心変わりなのだった。
平家伝説殺人事件 1987年2月10日第1版第1刷
2010年3月1日改訂版第1刷
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