小説の中の死
昨日読んでいた本には、三人の死があった。
主人公の曾祖母と若き叔母、それに幼少期を共に過ごした血縁はない曾祖母。
推理小説などでは、いとも簡単に人が死ぬのだが、この小説では死に至る経過も描かれ、それによって影響を受ける主人公の心理の変化もあって、死が軽々に語られるべきことでないのがよく解る。
今のように火葬ではなく、土葬である。墓場までは村人が葬列を組んでいく。
葬列と言えば思い出すのが、山川方夫【夏の葬列】(11.02.08)で、この時も何かを読んでいて思い出したと書いている。
上記の本では、育て親の曾祖母が亡くなったことが、小説の一つの山場であり、一つの区切りだった。
それにしても、大正初期では70歳を過ぎると大往生と言われるのだなと、何か不思議な だが不思議でも何でもないような気もするのだった。
自分の祖母も、70代前半で亡くなったのではなかったか。
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