沢木耕太郎【月の少年】
沢木耕太郎 作・浅野 隆広 絵
税込価格: ¥1,365 (本体 : ¥1,300)
出版 : 講談社
ISBN :978-4-06-217363-6
発行年月 : 2012.4
利用対象 : 小学生
湖のほとりの一軒家で彫刻家のおじいさんと暮らしている冬馬が、満月の夜に見たものは?沢木耕太郎が描く、少年の心、いのちの輝き。
沢木耕太郎さんが絵本を書かれたというので、読んでみた。
月に映る影は、見る人によって様々な形を成す。日本人は多くウサギの餅つきを想像してきたが、この本の主人公冬馬(とうま)には、だれかがつかみあいをしているようにしか見えない。
冬馬の両親は、海の事故で亡くなってしまい、冬馬は一人 おじいさんの住む山の家に引き取られた。
おじいさんの家の前には湖がある。「湖」とは、「真水の海」だと、おじいさんは言う。
冬馬が色々なことに悲しくなって学校へ行くのを止めたときも、おじいさんはそっとしておいてくれる。
そうしたある満月の夜、冬馬は湖で笛を吹く男の子に出会って……。
おじいさんが作っている彫刻は、「とわに(永久に)」だという。
観音様のようでもあり、亡くなったおかあさんのようでもあり。
少年と出会ってその顔を造った冬馬には、月の影は少年がおかあさんに会えて抱き合っているように見えてくるのだった。
綺麗なお話しだ。
月の少年
2012年4月2日第1刷発行
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