荻原浩【月の上の観覧車】
荻原 浩 著
税込価格: ¥1,575 (本体 : ¥1,500)
出版 : 新潮社
ISBN : 978-4-10-468905-7
発行年月 : 2011.5
利用対象 : 一般
大切な誰かの面影は、いつも後悔の記憶の中…。月光の差し込む観覧車の中で、愛する人々と束の間の再会を遂げる男を描いた表題作ほか、繰り返せない時間の哀歓を描く短篇集。『小説新潮』等掲載を単行本化。
過日 東京へ行くために送ってもらっている車中で、カーラジオから聞こえてきたのが、この【月の上の観覧車】だった。
さすが プロ、うまい。話に引き込まれる。同じ名を冠した短編集だと知って 購入。
表題作の他には
トンネル鏡
金魚
上海租界の魔術師
レシピ
胡瓜の馬
チョコチップミントをダブルで
ゴミ屋敷モノクローム
の七篇。
困ったことに、本を整理しようと思って目次を確認したのだが、中身はまったく覚えていなかった。
だが、いずれも何か切ないような話だったような気がする。
妻に先立たれた後、神経衰弱になってしまった男。
マジシャンの祖父とそのマジック
ご近所のクレームを受けてゴミ屋敷に通うことになった、市役所の担当者の話
共通しているのは、いずれも過去を引きずっているということ。人は、過去を振り返り懐かしむことで、自分を確認したいのかもしれない。
以前にも書いたが、短編集は一篇ずつは感動的な話でも、それを集めてしまうと食傷気味になることがある。
月の上の観覧車
2011年5月25日
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