小森羊仔【シリウスと繭 1】
小森 羊仔 著
税込価格: 440円
出版 : 集英社
ISBN :978-4-08-846796-2
発行年月 : 2012.6
利用対象 : 一般
朝日新聞の書評欄で見つけて気になっていた。
何とも微笑ましく可愛い物語だ。
高校三年生の繭と友人のメグ、二人が憧れている同級生の晴。ストーリーはほぼこの三人とそれぞれの家族を中心に展開する。
受験を控え、メグの勧めで晴に勉強を見てもらうようになった繭。春の誘いで星を見に行ったりするようになる。
一方のメグは、晴に打ち明けるも受け入れてもらえない。
題名の「シリウス」というのは、晴に勉強を教えてもらっているときに出てきた星の名前。
シリウス:おおいぬ座の一等星で明るさは1,5等級。全天一明るく、該当がある場所でも観察出来る。意味は「焼きこがすもの」。
時間はあっという間に過ぎ、三人は卒業する。
繭は福祉の専門学校へ、晴は東京の大学へ行く。
プールサイドで晴が読んでいたのが、ヘッセの【車輪の下】だったのも、微笑ましかった。
晴は、将来プラネタリウムを作るのが目標だという。
冒頭で、幼い晴が父親に星の名前を教えてもらっているとき、「プラネタリウムがあれば、病院の外出許可を貰わなくても星が見える」と言う場面がある。
そして上京の前に、父の墓前に額づく晴の姿がある。
今後、この二人はどうなっていくのだろう?
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