城山三郎【逃亡者】
城山 三郎 著
税込価格:500円
出版 : 新潮社
ISBN : 978-4-10-113323-2
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般
25年前、空襲の混乱にまぎれて刑務所を脱走した男を追っている刑事と、刑事の訪問で逃亡者にまつわる戦時中の記憶を蘇らせる守衛。二人の対話を通して、戦争の残影を凝視した表題作。子供のころに怪我をさせた人物から借金を強要され、それまで見向きもしなかったリベートに手を出してしまう男が、苦い胸中を吐露した「カカオ・フィーズの味」など、単行本未収録の8編を収める。
何故か紙版がないような……?
姉妹二人が、意外とサバサバとした会話をする【北の空へ】。母の世代よりは、若干若いだろうか。戦後、とは言っても既に自衛隊が出来ている。
その自衛隊の飛行士と、その基地まで会いに行くという思いきった行動をする女性を描いている。同世代の男性が多く戦死して、結婚する機会を逸してしまった主人公。
相手の自衛隊員が、酒を飲んでそれまでとは違った一面、目が据わって云々というところなど、面白かった。
上記で紹介されている【カカオ・フィーズの味】も、ほろ苦さを感じさせてよかった。
いずれも、戦争を挟んでの話が多く、やや暗めだ。
| 固定リンク
« 秋日和 | トップページ | タブレットのことなど »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 江口恵子【普段使いの器は5つでじゅうぶん。】(2025.03.21)
- 堂場瞬一【英雄の悲鳴 ラストライン7】(2025.03.19)
- 篠田真由美【センティメンタル・ブルー】(2025.03.17)
- 【くらべて、けみして 校閲部の九重さん】(2025.03.13)
- 【Casa BRUTUS特別編集 器の教科書】(2025.03.11)
コメント