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2012.11.21

坂木司【青空の卵】

青空の卵

 

青空の卵坂木 司 著
税込価格: 780円
出版 : 東京創元社
ISBN : 4-488-45701-0
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般

 

僕、坂木司には一風変わった友人がいる。自称ひきこもりの鳥井真一だ。複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと、僕は日夜頑張っている。料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった様々な謎を問いかける。【「BOOK」データベースの商品解説より】

 

 

著者名を主人公に持ってきたのかと思ったがそうではなく、本書がデビュー作で、逆に主人公の名前を筆名にしたようだ。性別も隠した、覆面作家だという。

 

 

和菓子のアンが面白かったので、同じ作者のものを読みたくなったのだ。

 

一風変わった安楽椅子探偵の登場。なにしろ外へ出るのが嫌だという鳥井が出会う世界だから、かなり狭い。
僕・坂木はそういう彼と高校時代からつきあいつつ、ワトソン役を務める。

 

他にやはり高校時代の同級生で警察官になった滝本やその後輩。
江戸っ子職人の木村栄三郎など、多彩な人物が顔を揃える。

 

ひきこもりだが、決して真に狭い世界に住んでいるわけではないのだ。

 

事件も多彩で、ちょっとしたヒントから鳥井がそれらを解決していく。

 

その話の折々に、鳥井の受けた心の傷や、坂木との友情が描かれる。
坂木は「鳥井命」でありながら、いつか鳥井が自分の側を離れることを、望みつつ恐れてもいる。
そうした二人の関係というのも、異色である。

 

最後近く、鳥井と父の話が やはりいい。

 

 

鳥井が作る料理も楽しいし、ネットで取り寄せる各地の「甘いもの」も美味しそうなものばかりだ。
【和菓子のアン】といい、ひょっとしたら著者は女性か?

 

その【和菓子のアン】は、11月18日付書評の「売れてる本」に取り上げられていた。
また、文庫版が本屋で平積みになっているのも目撃。

 

 

シリーズものとして、あと何冊かあるらしい。

 

 

関連記事
【青空の卵】(12.11.21)

 

【仔羊の巣】(13.03.07)

 

【シンデレラ・ティース】(13.02.27)

 

【先生と僕】(18.01.30)

 

【ホテルジューシー】(14.04.18)

 

【ワーキング・ホリデー】(13.01.30)

 

 

青空の卵 販売開始日:2010/07/22

 

 

 

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コメント

先日、都内の書店で坂木さんのサイン会がありました。
時間がなくてサインに並ぶことは出来なかったので、お顔だけでもと思い立ち寄ったのですが、なんと坂木さんは別室にいてサインを貰う人さえも顔を見られない状況だったようです。
徹底してるんですね(^^;;

他の作品では『切れない糸』とか『先生と僕』が好きです。

投稿: tako | 2012.11.21 09:43

takoさん、コメントをありがとうございます。

すごいですね、サイン会でもお顔を拝見出来ないのですが。本当に「覆面作家」なのですね。

これをネタに、推理小説が書けたりして (^_^;)

ご紹介下さった二冊とも、面白そうですね。
読んでみます。

投稿: | 2012.11.21 21:50

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