光原百合【星月夜の夢がたり】
光原 百合 著
税込価格: 770円
出版 : 文藝春秋
ISBN : 978-4-16-771734-6
発行年月 :2007.7
利用対象 : 一般
遠い昔の思い出や、幼い頃に聞いたお伽噺、切ない恋の記憶…。夢のかけらのような32篇の小さな物語を、ファンタジックなイラストで彩った、宝石箱のような絵本。ミステリーの書き手としても注目される著者の原点である、詩人、童話作家としての素顔の垣間見える作品集。【「BOOK」データベースの商品解説】
紹介文どおり、まさに宝石箱のような絵本。
しかし全てがファンタジーのような内容かというと、そうではない。いや、どちらかというと切なく悲しい物語が多い。
息子が行方不明になり、ひたすら待っている内に山姥になってしまった「三枚のお札異聞」は、恐ろしいとされている山姥の悲しい母性が切ない。
かぐや姫は月世界に帰ってからも、意識のどこかに地上で愛してくれた人びとのことを覚えており、満地球を見る度に何故か物思いに沈んでしまうという「かぐや姫の憂い」。「竹取物語」に
ふと天の羽衣うち着せたてまつりつれば、翁をいとほしく、かなしと思しつる事も失せぬ。といった一文があるのだった。地上は穢れていて、心地悪いだろうなどともある。
他にも「絵姿女房その後」といった昔話のアレンジも。
現代物にしても、数少ない登場人物以外は存在すらしないかのような印象を受ける。
ファンタジーというのは、実はこわーい物語なのかもしれない。
星月夜の夢がたり
2007年7月10日第1刷
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