堂場瞬一【断絶】
堂場 瞬一 著
税込価格: 683円
出版 : 中央公論新社
ISBN : 978-4-12-205505-6
発行年月 : 2011.7
利用対象 : 一般
閉塞感漂う地方都市・汐灘の海岸で発見された女性の散弾銃による変死体。県警は自殺と結論づけたが、捜査一課・石神謙は他殺の線で捜査をつづける。一方、地元政界は、引退する大物代議士・剱持隆太郎の後継選びで混迷を深めていた。【「BOOK」データベースの商品解説】より
「汐灘サーガ」の、真ん中に位置する。
石神と剱持、まったく異なる人生を歩んだ、二人の運命が交錯する。
以下、ネタバレあり。
途中で石神の出生のことが、判ってしまう。
剣持の息子とを比較することで、剣持自身の気持ちを浮かび上がらせたかったのかとも思う。
剣持と石神の父親との交流(友情)がいい。だが、所詮庶民と政治家という一線はあるようだ。一緒に魚釣りをする日は来るのか?
剣持の回想というか、独白というか、これが多すぎて筋が読めてしまったのが残念な気もする。
最後に、大きなどんでん返し(裏切り)が判明する。
ま、政治の世界というのは、そんなものか。だが、少々後味が悪い。
それは石神の思いも同じだと見える。
最終ページで(その裏切り者と)対決したとき、石神にはやはり(拒否はしていても)剣持への同情(あるいは意識せずしての愛情)があったのだろう。
相手を罵倒する。そして、
何か言い返そうとしたようだが、石神は(相手の名前あり)の肩を押しのけて歩き出した。(相手の名前)が力なくよろけ、車のボンネットに手を置いて身を支える。 面白くなかった。 はなはだ面白くなかった。で、終わっている。
本書はReaderで読んだ。もう一冊平行して honto(iPad)で読んでいる 堂場本とこんがらがって来たため、図書館で単行本を借りてきた。紙本の方が、見かえしやすいからだ。
堂場瞬一作品
堂場瞬一【帰郷】(11.07.04)
堂場瞬一【雪虫】(11.07.28)
堂場瞬一【孤狼】(11.09.27)
堂場瞬一【破弾】(11.10.09)
堂場瞬一【讐雨】(12.03.27)
堂場瞬一【虚報】(12.05.16)
堂場瞬一【血烙】(12.07.30)
堂場瞬一【被匿】(12.08.21)
堂場瞬一【ラストダンス】(12.09.07)
堂場瞬一【長き雨の烙印】(12.09.16)
堂場瞬一【七つの証言】(12.09.27)
堂場瞬一【疑装】(12.11.24)
堂場瞬一【アナザーフェイス】(12.12.03)
堂場瞬一【約束の河】(12.12.05)
堂場瞬一【敗者の噓】(12.12.19)
堂場瞬一【断絶】(13.01.10)
堂場瞬一【逸脱】(13.01.22)
堂場瞬一【蝕罪】(13.02.10)
以下は、単行本情報。
断絶
2008年12月20日初版発行
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