村山由佳【星々の舟】
村山 由佳 著
税込価格: 660円
出版 : 文藝春秋
ISBN : 4-16-770901-5
発行年月 : 2006.1
利用対象 : 一般
禁断の恋に悩む兄妹、他人の男ばかり好きになる末っ子、居場所を探す団塊世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱いて−。愛とは、家族とはなにか。
確か直木賞を取った作品で、当時から気になってはいた。
短編集だが、家族のそれぞれが語るという手法を採っている。登場人物一人一人が「星々」のようだ。
一人の男がいて、妻との間に二人の男の子がいる。妻が亡くなり、家政婦が連れ子をして後妻に入る。そのあとで生まれた末の妹。後妻の連れ子と次男とは、血のつながりがないことでやがて愛し合うようになる。
そこから起こる悲劇。
その後妻が死んだ知らせを家を出ている次男が知るところから、物語は始まる。
最初の章はその次男の目で、過去を振り返っている。
やがて少しずつ、彼らの葛藤が浮かび上がってくる。同じ出来事が、語り手の目線によって違う角度で語られる。
かなり重い本である。
一番辛かったのは、父親ではなかったか?
星々の舟
Kindle価格:473円
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