【日本の名随筆 別巻87 装丁】
松山 猛 編
税込価格: 1,890円
出版 : 作品社
ISBN :4-87893-667-3
発行年月 : 1998.5
利用対象 : 一般
お目当ては栃折久美子さんの【モロッコ革の本】だったのだが、既に絶版になっていた。
そこで、これも収録されている本書を、図書館で借りてきた。
【日本の名随筆】は一期から十期まであり、100冊で完結している。その全てのテーマが、漢字一字で表されているという、潔の良さ。
更に別巻が出版されて、こちらは一期から八期までの80冊。今度はテーマが全て漢字二文字で統一されている。
で、本書は「装幀」に関したものが集められている。
谷崎潤一郎や志賀直哉がある。島崎藤村も、【装幀に就て】と題して書いている。
高村光太郎も、【装幀について】だ。
東郷青児や横尾忠則もある。
全部で、38名の随筆。
そして栃折さんの文章は、やはり秀逸だった。
この文章を読んで、装幀の言葉にも興味を持ったのだった。
美しい本には、美しい「花ぎれ」がついている。ちょうど、半襟のように。
で、本書の装幀であるが、どうやらこのシリーズは統一されているらしい。
本書の「装幀」とあるところが「毒薬」であったり「落語」であったり。
勿論巻数と編者は違うし、ちょっとした画も、内容にふさわしいものになっているようだ。
裏表紙には、執筆者とタイトルの一覧が。
ここで腹が立った。
何故なら、38名が列記してあるのだが、その最後の二人分がバーコードで無残にも塞がれているのだ。
同じ場所にバーコードを貼るというのは当所でもしているので理解できるのだが、こんな時には機転を利かせて何も書かれていない場所にしてくれればいいのに。
もっとも、どんな本であっても、せっかくの装幀にずかずかと踏み込んでいることに変わりはないが……。
日本の名随筆 別巻87 装丁
1998年5月25日第1刷発行
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