【伝説の灘校国語教師の「学問のすすめ」】
橋本 武 著
税込価格: 1,000円
出版 : PHP研究所
ISBN : 978-4-569-81053-9
発行年月 : 2013/03/01
利用対象 : 一般
国語力はすべての学問の基本、100歳でわかった人生の喜びと学ぶ大切さ…。学力日本一の基盤をつくった元灘校国語教師が、これまでの実践や考え方を紹介する。教養と伝統文化を楽しむ「橋本式いろは歌留多」も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
「伝説の」とは、【銀の匙】の授業方法のことを言うのだろう。もっとも今は「銀の匙」と言えば「シルバースプーン」(荒川弘のコミック)を指すのだろう。
著者は今年101歳である。と書いたが、残念ながらこの9月に亡くなられた。71歳で灘高校を退職したのを機に「生前葬」を営み、その後は「おまけの人生」と位置づけている。
本書第一部の「国語力はすべての学問の基本」というのもうなずけるが、第二部の「百歳でわかった人生の喜びと学ぶ大切さ」は、その一つ一つがうなずける。
こうした余生を送ってみたいとも思う。
例えば
「還暦を超えてから夢中になった宝塚歌劇」や、
「八十六歳からはじめた『源氏物語』の現代語訳」など、
「できなくなったこともありますが」と仰りつつ、本書執筆時には、なおまだ現役顔負けの活躍ぶりだった。
以前から知りたかった「銀の匙」の勉強法も、コラムとして紹介されている。
また、同じくコラムとして 「書く力」をつける勉強法にも触れている。
対象はなにも『銀の匙』でなくてもいい。
なるべくたくさんの本を読む傍ら、時には一冊の本を精読することも必要だろう。
著者の言う「脇道へ逸れることの大切さ」「長生きをするために特にしていることはない。昔からやってきたことを変わらず続けているだけ」といったさりげないことが、実は中々実現不可能なのかもしれない。
また、おしゃれにも気を配っているというのも楽しい。
若い人は、若いというだけでプラスになる。 年を重ねると、その分マイナスになるのだから 派手な服装をしてカバーする。 そう理由づけて、私はずっと おしゃれを楽しんでいます。 そして、これからも楽しむつもりです。と。
生前葬の時には白いスーツに白の帽子と靴、真っ赤なコサージュをつけられたとか。
120歳の大還暦には、「真っ赤なスーツに真っ白のコサージュを考えています」とのことだったが、これは叶わなかった。
100歳直前の頃のお声を聞いたが、張りのある良い声だった。
うーん、某長寿番組の司会者は……。いや、余計なことは書かないでおこう。
ではなく、
何かに取り組むのに、年齢制限はありませんし、遅すぎるということもありません。ではあるが、「引き際」を考えることもまた大切だとは、敢えて触れておこう。
「テキストDAISY」として、着手登録しました。
伝説の灘校国語教師の「学問のすすめ」
2013年3月14日 第1版第1刷発行
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