詩人の吉野弘さん死去
詩人の吉野弘さん死去 「祝婚歌」などというニュースが入ってきた。
この方の、「I was born」という詩が好きだ。
恐らく中学へ入ったばかりの頃の少年が、父と一緒に散歩をしている。
その時、妊婦がすれ違った。
少年はそこから、「I was born」という言葉を連想する。
----やっぱり I was born なんだね---- 父は怪訝そうに僕の顔をのぞきこんだ。僕は繰り返した。 ---- I was born さ。受身形だよ。正しく言うと人間は 生まれさせられるんだ。自分の意志ではないんだね----
こういう感想を述べた子に対して 父は、
----蜉蝣という虫はね。生まれてから二、三日で死ぬん だそうだが それなら一体 何の為に世の中へ出てくる のかと そんな事がひどく気になった頃があってね----と、 ギッシリと のど元までせり上がったカマキリの卵の話をする。
この少年の母は、少年を産むとすぐ亡くなっている。
少年は、母の体内にいるとき、母の胸の方まで息苦しくふさいでいた自分の肉体を思うのである。
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