松本清張【水の肌】
松本 清張 著
税込価格:562円
出版:新潮社
ISBN:978-4-10-110948-0
発行年月:2009.6
利用対象:一般
表題作をはじめ計りがたい人間の愛憎と欲望をテーマに、現代社会の不確実な内面をえぐる傑作短篇5話を収録した推理小説集。
【指】
あまりきつく手を握っていると、指の関節が固まって、ほぐさなければならなくなる。
そこへ注目したという解決が、ユニークだと思う。(そうでもないかな?)
【水の肌】
お山の大将的主人公が現実を突きつけられると、こうなるのか?似非エリートの末路や哀れ。
【留守宅の事件】
【小説 3億円事件】
これは面白かった。「小説」と断っているが、本当にこうしたことがあったのではと思われる。「米国保険会社内帳報告書」という形を取って、推理を重ねていく。
【擬視】
冒頭丁寧に武蔵野にある被害者宅の環境を描写していく。新興住宅地の中に残った古い百姓屋のような印象を持って、被害者夫婦が年配者かと思ったが、30代で子どもを亡くして日も浅いのだった。
この最初の描写が、ある意味伏線になっている(年齢のことではなく環境描写)。
事件がミスリードされているのを糺したのは、新米刑事だった。彼は先輩から現場をきちんと描いておくようにと言われ、図面だけではなく現場の状態もしっかりと頭に入れる。そこから、警察の調べに矛盾を感じて行く。
彼の推理を描いていったあと、最後は
犯人は、それから一ヶ月後に挙がった。とのみあるのが、潔かった。
水の肌
Kindle価格:336円
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