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2014.06.23

藤野恵美【初恋料理教室】

初恋料理教室

初恋料理教室藤野 恵美 著
税込価格:1,620円
出版:ポプラ社
ISBN:978-4-591-13770-3
発行年月:2014/06/30
利用対象:一般

京都の路地にたたずむ古びた町屋長屋。どこか謎めいた愛子先生が営む「男子限定」の料理教室では、今日もさまざまなドラマが起こる―。【「BOOK」データベースの商品解説】より

この教室に通う四人の「男子」を主人公に据えた、連作短編。

表題作の第一話は、建築会社に勤める真淵智久が主役。
図書館でレファレンスを受けた永遠子が、気になっている。

また、同じ教室で料理を学んでいるフランス人のヴィンセントの店を持ちたい夢を、共にかなえようと誓うのだが……。

第二話【であいもん】は、そのヴィンセントが主役。
フランスからハンティングされて、日本にやってきた。
恋愛には、フランス人らしいクールさで臨んでいる。
最初、このハンティングに来た日本人は、男かと思った。

食材に「であいもん」があるように、人との出会いもまたうまくいくといい塩梅になる。「ご縁」というのは、大切だなあ。

第三話【ふたりの台所】は、女装して教室に通っているミキの話。なぜ女装するようになったのか、料理がそこにどう結びつくのかなのだが、ミキの心情は理解できるが……。

第四話【日常茶飯】では、妻に勧められて料理教室に来た初老の佐伯を取り上げる。
(妻が)熟年離婚の準備で教室を勧められたのではとミキに指摘され、狼狽する佐伯。

大阪男と京女の、いい「であいもん」の夫婦だ。
どちらが先に逝くか、判らない。だからこそ、「日常茶飯」は大切にしたい。

終章では、料理教室の愛子先生の短い回顧録だ。

各章の料理が、いずれも作ってみたい気にさせる。
巻末には、少しだがレシピもある。

参考文献が、半端ない。
また、以前書いた京都の刑事上がりの料理人の話(タイトル忘れたよ)と違って、京言葉が心地よい。
ただし、表紙絵はちょっと違和感あり。


【ハルさん】同様、きれい事過ぎる感はあるのだが、ホッと出来るし、お勧めだ。


テキストDaisy、着手しています。


初恋料理教室
2014年6月5日第1刷発行


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