内田康夫【風のなかの櫻香】
内田 康夫 著
税込価格:702円
出版:徳間書店
ISBN:978-4-19-893789-8
発行年月:2008.9
利用対象:一般
5歳まで施設で育ち、奈良の尼寺に養女に迎えられた櫻香。中学生になった彼女の周りで次々に不審な出来事が起こる。【「TRC MARC」の商品解説】より
モデルは、即中宮寺だと判る設定で、解説によると門跡もそのまま登場していらっしゃる。なんとも、大胆な。
また、事件の解決を依頼してきた尼僧は、実際には尼僧ではないお寺勤務の女性で、「浅見光彦倶楽部」の会員だとか。
しかしこのお寺の描写など、行ったことのあるものには懐かしく感じることができる。
主人公の出生の秘密やその係累など様々あるが、あとは定番というかいつもの展開。
それでも、尼寺が舞台ということもあってか、殺伐とした事件が連続して起きるということはない。
奈良・鳥羽・京都の三点を結んで、徐々に櫻香の秘密が明らかになっていく。
女性たちの育った場所が孤児院であったこと。それが結婚の際に妨げになっていたのだが、実は……というところもあって、真実を知った年寄りたちは何を思ったことだろう。
この少女が出来すぎの感もあるが、中学生でもこれくらいしっかりしている子もいるのだろうな。健やかに育って欲しいと、小説の世界のことではあるが、願わずにいられない。
風のなかの櫻香
Kindle価格:650円
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