« 内田康夫【王将たちの謝肉祭】 | トップページ | 忘れる »

2014.08.23

山田太一【空也上人がいた】

空也上人がいた

空也上人がいた山田 太一 著
税込価格:540円
出版:朝日新聞出版
ISBN:978-4-02-264741-2
発行年月:2014/04/08
利用対象:一般

ぬぐいきれない痛みを抱える人々と一緒に歩く空也上人とは? ヘルパーの27歳の青年、独り暮らしの81歳の老人、46歳の女性ケアマネ。介護の現場で始まった、秘密を抱えた大人たちの風変わりな恋を描く。【「TRC MARC」の商品解説】


元ヘルパーの草介は、老人ホームで介護していた女性を車いすから放り出したという過去を持つ。事件は事故として処理されたが、女性はその後亡くなった。

彼を気にしていた女性ケアマネの重光は、金持ちらしい一人暮らしの81歳の吉崎宅の個人ヘルパーの仕事を世話する。
気まぐれな吉崎の人使いに戸惑いつつ、常に老人ホームと比べて何でもないと思おうとする、草介。

その吉崎は、一体どういう人物なのか?


物語は、ほぼこの三人だけで展開する。まるで、ドラマを観ているように。


草介が吉崎の使いで京都を訪れ、空也上人を下から仰いだ場面が衝撃的だ。
草介は、やはり自身のしたことがトラウマになっており、重光はそれが気がかりでならない。だがそれは、単に世話焼きというだけでないことを、吉崎は見抜いている。


草介と重光は、結局最後まで吉崎に振り回されていたようでもある。
もしかしたら、吉崎が空也上人だったのでは?


介護の現場の厳しさにも触れつつ


空也上人がいた
Kindle価格:700円


|

« 内田康夫【王将たちの謝肉祭】 | トップページ | 忘れる »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 内田康夫【王将たちの謝肉祭】 | トップページ | 忘れる »