« 補聴器、おしゃれに変身中 カラフルで使いやすく | トップページ | 廃業 »

2014.09.17

沢村浩輔【夜の床屋】

夜の床屋

夜の床屋沢村 浩輔 著
税込価格:799円
出版:PHP研究所
ISBN:978-4-569-70039-7
発行年月:2014/06/28
利用対象:一般

第4回ミステリーズ!新人賞受賞作の「夜の床屋」をはじめ、四季折々の「日常の謎」に予想外の結末が待ち受ける、新鋭による不可思議でチャーミングな連作短編集全7編。【商品解説】

元々は【インディアンサマー騒動記】という本の改題・文庫化。

一見何もないような話だが、突き詰めると怖いというか。
まさに、

奇妙な事件に予想外の結末が待ち受け
ている。
体験者には「予想外」だが、すべて綿密に計画されたものだったとしたら……。


道に迷ってたどり着いた無人駅から見えた灯り。そこは「夜だけ開く床屋」なのか?
ちゃんと客(というかキャンセルの連絡)も来るし、髭を当たってくれたのだが……。

という表題作【夜の床屋】をはじめとした7編の連作。

【空飛ぶ絨毯】は、寝ている間に、寝室に敷いてあった絨毯が無くなった。絨毯は、空を飛んでいってしまったのか?という話。
この物語も、怖い。何がって、人間の執念が。

【ドッペルゲンガーを探しに行こう】は、ちょっと仁木悦子さんを思わせる作品だ。
佐倉は、子どもたちに見込まれて(?)、彼らの陰謀の片棒を担ぐことになる。
いい意味の黒幕である大家の国府さん。最後に登場するだけだが、いい味を出している。

本編は、国府さんの『あら、そうなの』という台詞で終わっている。


とここまで書いてきて、あとの【葡萄荘のミラージュⅠ】【葡萄荘のミラージュⅡ』と【エピローグ】は連作のようだなと思って読み進めていった。

しかし、エピローグを読んで、あっと思った。
何と、本書は全体が連作だったのだ。

【すべてはFになる】ではないが、全てはこの終章に向けて用意されたものだったのだ。

と言い切りたいほど、見事に連鎖している。
しかし、書かれた頃に、それが意識されていたのかどうかは、解らない。


夜の床屋
2014年6月27日初版
Kindle価格:630円


|

« 補聴器、おしゃれに変身中 カラフルで使いやすく | トップページ | 廃業 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 補聴器、おしゃれに変身中 カラフルで使いやすく | トップページ | 廃業 »