内田康夫【箸墓幻想】
像内田 康夫 著
税込価格:679円
出版:角川書店
ISBN:978-4-04-160762-6
発行年月:2008.9
利用対象:一般
奈良・箸墓古墳の謎を追究していた考古学研究所の元所長が殺される。真相を追う浅見光彦を待ち受けていたのは、歴史を超えた、女たちの冥い情念だった…。【「TRC MARC」の商品解説】より
今回も、実在するホケノ山古墳や箸墓古墳、それに当麻寺まで登場しての壮大なドラマ。
と見えて、実は個人の怨念がもたらした復讐劇。
浅見は当麻寺に寄宿して、謎に挑む。
ここの娘である女子大生が、何とも直情径行型で可愛くない。まだ10代ということもあるのだろうか?こんな「マドンナ」は、初めてである。
肝心の物語よりも、浅見がしばしば引用する折口信夫の「死者の書」が、タイムリーで興味深かった。ちょうど、今週末までNHKで放送されている。
当麻寺への参道、確かに狭くて通りにくい。最初に浅見が訪れた時に車を止めるのが、山門の少し手前にある駐車場だった。で、この春行ったときに使ったので、これも何かの縁かな??
また考古学上「神の手」を呼ばれていた藤村新一も、そのまま実名で登場してビックリ。もっともこちらは、目の前の事件から想起したということだが。
また、著者のあとがきに、本書を(毎日新聞に)連載中に藤村新一の事件が発覚したとある。物語との相似性に、これまたビックリであった。
さらに、各章の始めに万葉集からの引用があったのも、楽しめた。
11章で11の歌があったが、やはり大伯皇女の
うつそみの人にある我や 明日よりは二上山を弟背と我見むを挙げておこう。
箸墓幻想
Kindle価格:620円
honto価格:670円
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