【わたしの整理術】
岩波アクティブ新書編集部 編
税込価格:756円
出版:岩波書店
ISBN:4-00-700062-X
発行年月:2003.1
利用対象:一般
執筆者とタイトルは以下
大平健【『ニコマコス流生理学』前史】
茂木健一郎【「脳」整理法――世界に開かれたプロセスとしての脳の世界
渥美雅子【私の整理術七か条】
奥本大三郎【虫(の標本)と本の海の中で】
旅の資料や写真の整理法】
小石雄一【時間を整理する――三本の矢と三種の神器】
阿部絢子【暮らしとモノの関係追求から始まる私の整理術】
塚本昌彦【一掃による片付け術】
斉藤貴男【頭と肉体で営むジャーナリズムの資料整理】
北原照久【ときめきの空間づくり――コレクションの整理術】
有澤誠【パズルがヒント】
存じ上げない方も多いのだが、それぞれ「ユニークで楽しい」整理術を披露していらっしゃる。
10年ばかり前の本だし、野口悠紀雄氏の「超整理法」が出始め、「捨てる技術」が話題になった頃とて、断捨離もときめきの整理も登場していない。
しかし古さは全くなく、いつの時代にも「整理」で悩まされているのだ。
また、最近よく目にする家あるいはそれに付随したモノの整理法ではなく、ある人は昆虫の標本であったり、また膨大なコレクションの整理法だったり。
「スッキリ暮らす」というのとはまったく別次元の話であったりもする。
そうした中で、阿部絢子氏の話は、ちょっと浮いていた。タイトルはそれらしくなっているが、いつもの台所や家の整理法。これまでも感じていたのだが、氏の整理法にはあまりときめきがない。言い換えればごく当たり前のことで、それを否定するつもりはないのだが……。
「ニコマコス流」というのがよく解らなかったが、これは「前史」で本番があるらしい。しかし、おかしくて笑ってしまった。
コレクションが多すぎて、博物館までつくってしまって館長に収まっている北原氏。およそ「少なく」とか「断捨離」とは別世界だ。
当たり前のようで説得力のあるのが、塚本氏の「一掃する」という考え方。女性の「一日30分」とか「このコーナーだけ」といった指導法(?)と違って、いかにも男性的でキッパリしている。
って、こういう区別の仕方はいけないのかな?いや、「女性は」とか「男性は」というわけではなく、人口に膾炙している「女性的」「男性的」という意味で……。と言い訳(?)をする段階で既に……
などと、整理術とはまったく関係ないところへ行きそうになってしまった。
「整理術」としてより、「楽しいエッセイ」という捉え方が出来そうだ。
わたしの整理術
2003年1月8日第1刷発行
2004年4月15日第2刷発行
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