道尾秀介【水の柩】
高木 智編著
税込価格:713円
出版:講談社
ISBN:978-4-06-277831-2
発行年月:2014/08/12
利用対象:一般
自分が“普通”で退屈なことを嘆く中学2年の逸夫と、両親が離婚し級友からいじめを受け“普通”を欲する敦子。あるきっかけで言葉を交わすようになったふたりだが、敦子には秘めた決意があって…。【「TRC MARC」の商品解説】
注意深く読んでいかないと、つまりストーリー展開を急ぐと、罠にはまる。
解説氏も仰っているが、著者の作品の映像化は難しいだろうなと思う。
【ソロモンの犬】で好きになった著者だが、それ以前のホラーもの(と一括りにすべきではないだろうが)は読んでいない。
本書を読んでいながらも、【ソロモンの犬】での喫茶店の裏の水の音が聞こえてきた。
ちょっとしたきっかけが、気づきが、違う結末を誘うことはあるのだろうか。いや、人生はその連続とも言える。
冒頭と終章が、同じ場面。
登場人物全員で、ダムを訪れる。従業員の慰安旅行も兼ねている。
しかし、逸子の母親は、何故か蚊帳の外だ。仕事中ということもあるのだろうが、大事なことも知らされていない。
最初にこの母子が登場したときは、逸子が尋ねられたことまでも母親が応えていたのに。
一つ、突っ込みをば。ネタバレになります。
このバス旅行の途中。バスの中の場面では、何故か出てこない人物がいる。そこからミスリードへと続くのだろうが、ちょっと強引かな。
水の柩
Kindle版は親本からなのでまだ1,296円する。電書は文庫が出たときに、価格が下がるのだろうか?しかし、底本は親本だろうが。
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