小路幸也・宮下奈都【つむじダブル】
小路幸也 宮下奈都 著
税込価格:670円
出版:ポプラ社
ISBN:978-4-591-14306-3
発売日:2015/02/02
利用対象:一般
柔道が大好きな小学4年生のまどかと、プロのミュージシャンを目指す高校生2年生の由一は、仲のよい家庭で暮らす兄妹。だが、ある電話がかかってきたことで、2人の知らない秘密があることに気づき……【「BOOK」データベースの商品解説】より
章が変わるごとに視点を変えた語り手が物語を紡いでいくというのは、よくある手法だ。
だが、その語り手が違う作家だったら……。
本書は、兄を小路幸也が担当。妹のまどかを宮下奈都が担当して、交互に話を進めていく
こういう場合、家庭設定とか物語の筋とか、どれくらい打ち合わせをしてから始められるのだろう?
ところどころにちゃんと伏線が張ってあり、それが帰結していく。ものの見事に予想通りだが。
まどかが、母の料理上手・お菓子作り上手に関して質問しているところ。
やはりまどかが、兄のように母親似だったらよかったのにと、少々慨嘆するところなど。
なかなかおしゃまな「まどか」の視点が、可愛い。
だが、肝心の「謎の電話」がやや消化不良の感がある。この電話の主は、別に電話をかけてくる必要はなかったのではないか。
まどかは祖父の経営している柔道教室を嗣ぎたいと願っており、由一はプロを目指してライブをしたり進学のことで悩んだりしている。
その由一の夢が叶いそうになった辺りから、ちょっと方向が変わってきた。
由一に関して言えば、結局【東京バンドワゴン】の焼き直し的な感がしてきたのが、非常に残念だった。
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