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2015.05.18

【天久鷹央の推理カルテ】

天久鷹央の推理カルテ

天久鷹央の推理カルテ知念 実希人 著
税込価格:1,365円
出版:新潮社
ISBN:978-4-10-180010-3
発行年月:2015/02/07
利用対象:一般

河童に会った、と語る少年。人魂を見た、と怯える看護師。突然赤ちゃんを身籠った、と叫ぶ女子高生。だが、そんな摩訶不思議な“事件”には思いもよらぬ“病”が隠されていた…。【「BOOK」データベースの商品解説】より

素直に、面白かった。
最初のうちこそ、この鷹央の話し方に違和感を覚えたり、ワトソン役小鳥遊に苛立ったりした。
だが、読み進めていくうちに、ちょっとしたヒントから正しい方向へ導き出す鷹央の探偵ぶりが、面白くなってきた。
同じ医療ミステリイーでも、海堂尊氏と違って、単純に楽しめる。

収録作は、4点。

【泡】【人魂の原料】【不可視の胎児】【オーダーメイドの毒薬】。
これに、プロローグとエピローグがつく。

【泡】と【人魂の原料】は、関係者との対話でちょっとした陽動作戦をして、犯人をおびき出すという手法。
【不可視の胎児】は、ほぼ最初の方で見当がつく。と思わせておいての逆転劇だ。だがそれも、恐らくそうではないかという展開ではあった。
自分を天才だと豪語する鷹央だが、誤診はスンナリと認めるし、苦手な「患者をなだめること」にも挑戦する。

最後の【オーダーメイドの毒薬】は、タイトルに全てが込められている。統括診断部の絶体絶命の危機状態から、如何に脱出するか。という、本来の謎解きとは別のテーマが面白かった。
悪役のはずの叔父も、病院経営という観点から言えば正しいし、最後はちゃんと理性的な判断をしている。


ただ、途中から登場した鴻ノ池という研修医の存在は、「うざい」の一言につきる。
次作でも、バタバタと五月蠅く飛び回るのだろうか?


天久鷹央の推理カルテ
Kindle価格:550円
honto価格:594円


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