堂場瞬一【ルーキー】
堂場 瞬一 著
税込価格:1,365円
出版:PHP研究所
ISBN:978-4-569-70039-7
発行年月:2008.9
利用対象:一般
25歳の一之瀬拓真は、交番勤務から千代田署刑事課強行犯係に転属した新人刑事。管轄のビジネス街で、初日から殺人事件が起き…。一之瀬は教育係の藤島の薫陶の下、第一歩を踏み出す!【「TRC MARC」の商品解説】
これまでの堂場刑事ものと違って、この一ノ瀬は体育会系ではない。
ひたすら安定志向である。それは、彼の育った環境に影響されているようだ。
その一ノ瀬が刑事になってまだ日も浅いのに、殺人事件に遭遇する。
「ゆとり世代」と言われることを嫌い、「円周率は3.14で習った」とことあるごとに(胸中で)ブツブツ言っている。
また、少々理屈屋でもある。
『組織ではいつだって、声がデカい奴が勝つ』と藤島に言われて、一ノ瀬が抱いた疑問。
警察での勝ち負けとは何だろう。利益を追求する仕事ではなく、「真実」を求めるのがその役目のはずだ。利益を追求する方法はいくらでもあるが、真実に至る道は一本しかないと思う――たぶん。だったら、争いなど必要ない。そして争いがなければ、勝ちも負けも無意味になる。
警察の中には、本当に「争い」があるのだろうか。
これもシリーズものだが、次第に組織に飲み込まれていくのか。あるいは鳴沢涼とは違う方向で、組織と相対するのか?
ちょっと楽しみな「ルーキー」である。
著者は靴に詳しい。鳴沢涼も靴にこだわっていたが、一ノ瀬も人が履いている靴をチラッと見ただけで、メーカーが判るようだ。靴というのは、結構人品を表すというが……。
ルーキー Kindle版:650円
honto価格:702円
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