星新一【ねらわれた星】
星 新一 著
税込価格:1,404円
出版:理論社
ISBN:4-652-02081-3
発行年月:2001.11
利用対象:一般
SF短編の名手星新一の千を超える作品の中から、ヤングアダルト向きのものを厳選して編むシリーズ第1巻。「おーいでてこーい」など19編をおさめる。
「ヤングアダルト」向きと言われると、そうかなという気もする。なるほど、これまで読んだものとはちょっと傾向が違っていた。
しかし、遠いところに地球と同じかもっとすぐれた星が存在している話や、ロボットの話は、今や現実に近い。
そして表題の【ねらわれた星】とは、地球のことである。
冒頭の【おーいでてこーい】は、怖い話だ。地球にポッカリと空いた穴。そこへ何でもかんでも邪魔なものを落とし込んでいった結果は?
近い将来の地球のことではないか!
出版年は2001年だが、それぞれの短編が最初に出たのはいつだったのだろう?
面白かったのは、インコを介してセールスマンと話していた主婦が、「主人に相談」というようなことを言うところ。
超進んでいる時代の話なのだが、本書が出た頃の世間を反映しているようで興味深かった。
「夫」という呼称は今では多くの方が使っているが、この頃はまだ一般的ではなかったのだろう。そして時代の先端をいく星氏でさえ、そこへ頭がまわらなかったのだろうか?
ねらわれた星
2008年2月第16刷
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