横溝正史【八つ墓村】
横溝 正史 著
税込価格:821円
出版:角川書店
ISBN:978-4-04-130401-3
発行年月:1996.9
利用対象:一般
戦国の頃、三千両の黄金を携えた八人の武者がこの村に落ちのびた。だが、欲に目の眩んだ村人たちは八人を惨殺。その後、不祥の怪異があい次ぎ、以来この村は“八つ墓村”と呼ばれるようになったという――。
一時、横溝正史の小説を片っ端から読んでいたことがある。
その時の文庫本の表紙が、これと同じだったような。1996年よりももっと前のような気がするが……。
何となく懐かしくなって、また金田一ものを読んでみようかと思った次第だ。
本書は「金田一耕助シリーズ」の「1」だとあるから、最初の一冊かと思ったのだが、既に岡山の警察と金田一は顔なじみのようだった。
【八つ墓村】で思い出すのは、自転車の「ナショナルランプ」を頭につけて犯行に及んだと思い込んでいたこと。しかし実際には、頭には普通の懐中電灯を二つ、ローソクのようにくくりつけていたのだ。
ナショナルランプは、胸にぶら下げている。
この「ナショナルランプ」なるものは、昔の自転車の前につけている人が多かったのだ。
で、肝心の本書の内容だが、上記以外はまったく記憶にない。
そして、金田一の活躍というのは殆どないことも、忘れていた。
人間関係が入り組んでいるようであるが、ある程度図式化出来るものではある。
ちょっと不思議なのは、典子の描き方。
だんだん綺麗になっていくというのは、その通りだろう。だが、切羽詰まってくると、段々知的になっていって、主人公を引っ張っていくところなど、やや矛盾を感じる。
あどけないピュアな性格が、やけに理知的になってきているのだ。
これも、随分映像化されているようだ。
どれも、観ていないなぁ。
さて、次は【悪魔の手鞠唄】かな?
八つ墓村
Kindle価格:666円
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コメント
さっそくお読みになったんですね。『八つ墓村』は主人公が完全に金田一ではないし、本格というよりはサスペンス仕立てですから、むしろ例外的作品ですよね。でもこれがまた面白いんです。
映画では渥美清とか豊川悦司が金田一やってますね。テレビだと片岡鶴太郎に稲垣吾郎もやっているし、なにかと映像向きの作品ではありますね。
投稿: sugata | 2015.07.22 00:00
おはようございます
はい、面白かったです。
渥美清の金田一って、これ一つなのですね。
絵になるような場面が多く、映画でも楽しめそうですね。
双子の老婆・洞窟といった設定は、この後も続いていくような……。
投稿: 涼 | 2015.07.22 07:49