奥田英朗【家日和】
奥田 英朗 著
税込価格:518円
出版:集英社
ISBN:978-4-08-746552-5
発行年月:2010.5
利用対象:一般
会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマン。内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。急にロハスに凝り始めた妻と隣人たちに困惑する作家などなど。日々の暮らしの中、ちょっとした瞬間に、少しだけ心を揺るがす「明るい隙間」を感じた人たちは…。【「TRC MARC」の商品解説】より「
いずれも、ちょっとした夫婦のすれ違いが起こす出来事と、その落としどころの短編集。
【サニーデイ】
毎日が倦怠気味の主婦が主人公。夫は仕事が忙しいし、子どもたちにはそれぞれの世界がある。
ふとはまったオークションにはまっていく主婦。次第にエスカレートして、夫の大事lにしているものまで出してします。
その夫は、誕生日のある週も、出張に行ってしまう。だが……。という設定。
【ここが青山(せいざん)】
これが一番面白かった。
会社が倒産して、突然主夫になった夫と、仕事に復帰して張り切る妻。
世間からは同情的に見られているのだが、当の本人たちは別に気にしていないのだ。
「人間到る処青山あり」いい言葉だなぁ。
【家(うち)においでよ】
これまた妻と別居してガランとした家の中を、次第に自分好みにしていく男の話。
それを知った同僚たちがやって来て……。
「家においでよ」とは、誰に投げかけた言葉?
この夫婦の今後はどうなるのかな?案外、別居したままで付き合うのもいいのかもしれない。
終末じゃない、週末夫婦とか。
【グレープフルーツ・モンスター】
これまた倦怠期の妻が、内職を取りに来る若い男に刺激を受けて夢想する話。
余り面白くなかった。
【夫とカーテン】
しょっちゅう仕事を変える夫と、何故かその時期はアイデアが秀逸になるイラストレーション(?)の妻。
カーテン屋の今回は、妻が夫を見直す。
しかし、また同じことが起きるのでは。
【妻と玄米御飯】
これは、妻の身勝手に付き合わされる夫と子どもたちの話。
嫌みだなぁ。
夫に対して、「しっかりせよ、男だろ!」と言いたくなる。
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