堂場瞬一【ヒート】
堂場 瞬一 著
税込価格:750円
出版:実業之日本社
ISBN:978-4-408-55173-9
発行年月:2014/05/29
利用対象:一般
日本男子マラソンの長期低迷傾向に歯止めをかけるため新設された「東海道マラソン」。数多の人間の欲望と情熱を乗せたレースは、思いがけない展開を見せる。【「TRC MARC」の商品解説】より
ある意味、荒唐無稽な話かもしれない。しかし、面白かった。
息子が「予想通りの結末」と言っていたが、その通りだった。違う展開で来るかなと途中で思ったりもしたが、第三章のタイトルでほぼ確定とも言える。
山城を徹底的に自己中の天才として描き、その対極のような存在の、ペースメーカーとして雇われた甲本を配す。
まずは、その山城を如何に攻略して「東海道マラソン」に出場させるかが、主要なテーマ。
何しろ、ベルリンマラソンで優勝して、次の照準もベルリンに絞っているという山城は、様々な誘いにも絶対に乗ろうとしない。
一方の甲本は、所属していたチームがことごとく無くなり、不遇の日々を送っている。
日頃「ああ、あの人がペースメーカーね」とはチラッと思っても、いつの間にか消えているので気にもしていなかった。
その「黒子」が一方の主役として最後まで「ヒート」するのだから、意外性の面白さといった一面もある。
一方、箱根駅伝を走った経験者も数多く登場する。知事自身がそうだし、レースを担当する音無もそうだ。
「箱根を走った」というのは、非常に重い意味を持つのだろう。
選抜の監督も、解説者として登場するし、なにより山城と甲本への影響力が大きかった。
さて、本書の最終章。
走りながら、あるいはレースを見守りながらのそれぞれの葛藤が面白い。
もう一つ、横浜のことはほんの少ししか知らないが、レースが横浜公園や管内を通り、中華街についても少し触れられているので親しみが持てた。
【チーム】の続編だが、その【チーム2】が出ていて、購入。
(【チーム】はまだ書いてなかった、正月2日か3日に読み直しだな。)
本書でもチラッと出てきて重要な役どころだった浦が、メインのようだ。
ヒート
honto価格:302円
Kindle価格:604円
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