芥川龍之介【或日の大石内蔵之助】Audible
朗読は、橋爪功。
本懐を遂げた後、細川家にお預けとなった内蔵之助と赤穂の浪士たち。
そんなある日、内蔵之助は江戸では町人たちの間でも「仇討ち」が流行っていることを聞く。
また細川家の家来が語る、京での内蔵之助の世を欺いた放埒な日々のことを褒めそやすのを聞く。
内蔵之助にとって、それは聞くに堪えないものだった。
せっかくの早春の穏やかな陽が、みるみる翳っていくのを感じながら、彼は京の日々を思い起こす。
それは、巷間話されることとは、違う思いもあったのだった。
芥川は、この短編を通して「忠義とか仇討ちへの賛美を静かに批判」したのだという。
いずれにせよ、活字で読んだのではない今回であったが、その場の情景が目に浮かび、楽しい読書だあった。
画像は、91年発行の岩波文庫のもの。
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