堂場瞬一【ヒート】

ヒート

堂場 瞬一 著
税込価格：1,365円
出版：ＰＨＰ研究所
ISBN：978-4-569-70039-7
発行年月：２００８．９
利用対象：一般

日本男子マラソンの長期低迷傾向に歯止めをかけるべく、神奈川県知事の号令のもと新設された「東海道マラソン」。県庁職員の音無は日本陸上界の至宝・山城悟のペースメーカー役に、孤独なランナー・甲本剛を起用する。果たして世界最高記録達成はなるか。【「BOOK」データベースの商品解説】より

箱根駅伝を描いた【チーム】の続編だというのだが、どうも違うようだ。
と読み始めには思っていたのだが、思い出した。
あの、どうしてもチームに馴染まなかったのが、山城だったのだ。

彼は、卒業してさらに傲慢になっていた。

自らも箱根の経験者である神奈川県知事の命令で「東海道マラソン」の担当者になった音無。
彼も又、箱根で走っている。

傲岸不遜の山城を説得して、「東海道マラソン」に出場させることが出来るのか？

もう一人、ペースメーカーを依頼されて、プライドが傷つけられた甲本がいる。
30kmまでなら非常に早いのだが、今は就職した実業団チームがなくなり、出身大学で肩身狭く練習している。生活にも困窮している彼の目の前で、恩師である監督が倒れる。

音無から甲本へ提示された条件は、破格のもの。彼はそれでも、受け入れようとはしなかったのだが……。

というのが、三部構成の第一部。

そして第二部は、その「東海道マラソン」の話へと続いていく

第三部で、奇跡は起きるのか？何となく、予想できる展開ではあったが。

解説氏によると、最後の一行は親本にはなかったとか。また、山城の話は続きがあるらしい。
解説は、電書にはない。これは著作権の関係からなのだろうか？文庫で読む楽しみは、解説にあることが多いのに。

ヒート
2014年6月15日初版第1刷発行
Kindle価格：560円
honto価格：605円