井上光晴【明日】
明日一九四五年八月八日・長崎
井上 光晴 著
税込価格:432円
出版:集英社
ISBN:4-08-749120-X
発行年月:1986.7
利用対象:一般
誰が運命の〈明日〉を予測しただろうか。原爆投下の前日、長崎の人びとは迫りくる死の影も知らず、いつものように愛し、傷つき、生きていた…。核時代の〈今日〉を鮮烈に問う。
1945年8月8日、長崎。
一つの家族がある。この日は結婚式である。親戚が集まってくる。
新婦の姉は臨月で、9日未明、出産する。
新しい命が生まれ、前日と同じ暑い一日が始まる。
こうした出来事を、淡々と書き綴ってある。
朝日新聞に月一度、瀬戸内寂聴さんのエッセイがある。
先月は、寂聴さんが出家のきっかけになったという井上光晴との会話があった。
渾身の力を込めて書いた井上の小説に、【明日】というタイトルを与えたのは、寂聴さんだった。
別離のきっかけになったのは井上光晴との付き合いのことで、この会話そのものではない。
「明日」も、今日に続く予定だった。
それが無残にも壊れた話は、一切出てこない。
一度は読んでおきたい小説である。
明日
Kindle価格:400円
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