森下雨村【白骨の処女】
森下 雨村 著
税込価格:864円
出版:河出書房新社
ISBN:978-4-309-41456-0
発行年月:2016/06/07
利用対象:一般
乱歩世代の最後の大物の代表作。謎が謎を呼び、クロフツ風のアリバイ吟味が楽しめる、雨村探偵小説の最高傑作の初文庫化。【本の内容】
いやー、面白かった。
もしかしたらと、かすかに期待していたことが現実であって、よかった。あまりにも悲壮だもの。しかし、それと知らずして実の母親の手にかかった娘も、また哀れである。
途中、タイトルが伏線になっていることに気づくと、上記の期待は一気に高まったのだが。
時刻表アリバイについては、彼の【点と線】でも感じたことだったが、今なら即もう一つのルートに思い至るのに、そこまでがなかなかというのも、時代を表しているのだろうか?
これは、解説でも少し触れてあって(単に思い起こすといった表現だったが)、元祖時刻表アリバイの金字塔は松本清張【点と線】(05.10.10)なのかな?
登場人物たちが交わす会話も懐かしく(断じてその時代に生きていたわけではない!)、楽しめた。
また、東京と新潟との差も、今よりもっと際立っていたのだろう。
白骨の処女
Kindle価格:800円
honto電子書籍価格:864円
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