DNAを受け継ぐ
どう見ても天寿を全うしたのだし、悲しみは襲ってこなかった。
また、徹也を失ったときのような非常に大きな喪失感もなかった。
しかし、初七日を終わった深夜、つれあいに母から聞いた話などしている内に、ジワジワと哀しみが沸き上がってくるのだった。
母はよく、母の幼い頃から過ごしてきた話を、自分に話してくれていた。これは自分が幼いときからで、妹にはそうしていなかったようだ。
結構自分勝手で好きに生きてきて、そのくせ他のものには干渉したがる人だったが、なぜか自分に対しては小さい頃から好きにさせてくれていた部分もある。
心配しなかったわけではなかろうが、自分が「行きたい」と行ったときには黙って行かせてくれていた。小学校の頃から、郡上へ一人で行くのだと主張し、それはかなえられた。「アホ鉄」のごく初期である。
また、大人の映画であっても、一人で観に行くことも許してくれていた。
ある意味、自分は信用されていたと思う。
葬儀が終わって導師から、「非常に好奇心が強く、趣味を幅広くお持ちだった。普通100歳になろうとする人が、新しいことを始めようとは思わないですよ」といったお話しがあった。
この部分を、自分は非常に受け継いでいると思う。
よく他人様から(年の割に)色んなことに挑戦していますね、などと言われる。
確かに、好奇心の強さは大きいし、知らない世界に入ることにも躊躇はない。こうしたことが母譲りであるとしたら、それは嬉しいことだと思う。
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コメント
お母さまのご訃報に接し心よりお悔やみ申し上げます。
涼さんにはお疲れのことと存じます。御身お大切になさってください。
投稿: 桜桃 | 2017.04.20 08:49
桜桃さん
ありがとうございます。
京都三条大橋でお目にかかれますように!
投稿: 涼 | 2017.04.20 11:56
謹んでお悔やみ申し上げます。
お力をお落としかとは思いますが、どうぞご自愛くださいませ。
投稿: sugata | 2017.04.20 23:40
sugataさん
ありがとうございます。
これまでと変わらず好奇心を持って過ごすことが、母を安心させるのだと思っています。
投稿: 涼 | 2017.04.21 09:28