堂場瞬一【八月からの手紙】
堂場 瞬一 著
税込価格: 782円
出版 : 講談社
ISBN : 978-4-06-277545-8
発行年月 : 2013/05/09
利用対象 : 一般
1946年、戦後間もない東京で「日本リーグ」を立ち上げようと奔走する日系二世の元ピッチャー矢尾。戦時中、カリフォルニアの収容所で彼を支えたのは、ニグロリーグのスター選手ギブソンとの友情だった…。【「TRC MARC」の商品解説】
第一部では、矢尾が新チームの監督を引き受けるまで。彼は、選手補強のためにアメリカの選手を呼ぶことを、オーナーに提案する。
第二部は、そのアメリカ選手ギブソンとの出会いから、友情が育っていくまで。
そして圧巻が、第三部「1942年」の収容所生活。
矢尾とギブソンは、文通を続けている。ある日矢尾からの手紙に密かに埋め込まれていた「知人が撃たれて死んだ」というメッセージを読んだギブソンは、とにかく矢尾に会いに行こうとする。
収容所内にも、野球が判る人はいて、彼は矢尾に野球をするように言う。
ちょうどその頃到着したギブソンの放った一打は、中の矢尾に届いたのだった。
矢尾はボールを両手で包み、胸に抱きしめた。何故だろう……涙が零れ落ちる。狂気の世界である収容所だが、外には正気の世界があると教えてくれる証拠のボール。
もう一度野球をやりたい、と矢尾は心の底から思った。
そして再び戦後の1946年第四部。
矢尾は、ギブソンに遭いに渡米する。苦労してやっと尋ね当てたとき、ギブソンは……。
矢尾とギブソン双方の「今」を交互に書きながら、やがて二人が遭遇するのだが。
著者の作品は、刑事物よりもこうしたスポーツものの方がいいような気がする。
息子からのお勧めだったが、野球好きのつれあいにも紙本を渡す。
感想はまだだ。
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