コリン・デクスター【ウッドストック行最終バス】
コリン・デクスター著 大庭忠男 訳
税込価格: 907円
出版 : 早川書房
ISBN : 978-4-15-077551-3
発行年月 : 1988.11
利用対象 : 一般
夕闇のせまるオックスフォード。なかなか来ないウッドストック行きのバスにしびれを切らして、二人の娘がヒッチハイクを始めた。「明日の朝には笑い話になるわ」と言いながら。「BOOK」データベースより
モースものの、第一冊目。
ルイスとも、初めての仕事になる。
驚いたのは、ルイスはモースより年上なのだった。
表紙絵には、主人公たちが乗ったと見られる二階建てバスが描かれている。しかしこの町並み、日本のような気がしないでもない。
さて物語だが、このヒッチハイクをした娘の一人が、ウッドストックの酒場の中庭で殺されていた。
それぞれ関係者が密かに悩むのだが、モースもなかなか真実にたどり着けない。
章が変わる度に新説を出し、うまくいかないとルイスに当たり散らす。
登場人物と恋に落ち、気もそぞろになる。
聞き込み先でもルイスは勤務中だとして酒を飲ませないが、自分は堂々と昼間から飲む。
何とも破天荒な探偵登場というわけである。
ちょっとした偶然が、次の悲劇を読んでしまった話で、勿論その偶然がなければ物語が成立しないのだが。
それにしても、登場人物が(モースも含めて)奔放すぎるのが気になる。
一番の悪玉(?)は、お堅い仕事の男性。妻を不幸にし、友人を裏切っている。
この友人というのが、なかなかいい味を出していると思う。
コリン・デクスターはほぼ読んできたが、随分古くなったので処分対象にした。四半世紀くらい前のことで、中身は殆ど覚えていない。
それをいいことに、片っ端から電書で読み直そうというわけで、第一作の本書から再読をはじめた。
何編かは既に書いているので、残りを発行順に読んでいく予定。
関連記事
【オックスフォード運河の殺人】(17.05.27)
【死はわが隣人】(13.01.09)
【モース警部、最大の事件】(04.11.14)
【死者たちの礼拝】(17.07.12)
コリン・デクスター索引(18.05.25)
ウッドストック行最終バス
1988年11月15日発行
1993年9月30日七刷
Kindle価格:702円
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 江口恵子【普段使いの器は5つでじゅうぶん。】(2025.03.21)
- 堂場瞬一【英雄の悲鳴 ラストライン7】(2025.03.19)
- 篠田真由美【センティメンタル・ブルー】(2025.03.17)
- 【くらべて、けみして 校閲部の九重さん】(2025.03.13)
- 【Casa BRUTUS特別編集 器の教科書】(2025.03.11)
コメント