茂木健一郎【東京藝大物語】
茂木 健一郎 著
税込価格: 637円
出版 : 講談社
ISBN : 978-4-06-293609-5
発行年月 : 2017/03/15
利用対象 : 一般
ヘンタイにはなれても、テンサイにはなれない!? 著者が講師として5年間を過ごした東京藝術大学を舞台に、芸術を夢見て生きる学生たちが日夜起こす事件に驚きながら、共に生きた時間をあたたかな眼差しで綴る青春小説。【「TRC MARC」の商品解説】
東京藝術大学の非常勤講師を引き受けた著者が、はじめて藝大を訪れた日から始まっている。
まずは担当教授の部屋へたどり着き、その部屋の様子に度肝を抜かれる。
その近くにいた学生二人も、感動するとやたら鼻水が出たり、鳩ばかり描いていたりと、なかなかユニークだ。
著者は二人を、密かにジャガーとハト沼と名付ける。
変人(?)は、二人だけではなかった。
次々と現れる変な学生と、彼らの引き起こす事件。
5年間勤めた著者が出会った、学生たちとの交流を描いている。
著者の受け持ちは大学院なのだが、中には登録受講生以外の学生も混じっていて、件のジャガーとハト沼も聴講している。いや、二人は大学院生だったかな?
その他、一日目の講義後教壇周りにやってきた学生の中に、藤本というのと、阿部ちゃんという一度早稲田を卒業してから藝大に入ったのもいる。
モンドリアンの講義中に、異議申し立てをした中田英寿似の名取。
モンドリアンが描いた画と、科学者の言う「モンドリアン図形」との違いは、話し合ってはじめて解り合えた。
ドイツに行ったことのある杉ちゃんや、指で絵を描く亀ちゃんという女子大生。
この杉ちゃんの行動が、半端でなくはみ出ている。それを必至にフォローしてくれているハト沼。しかし杉ちゃんは、どこか計算通りのようなことろもある。
等々、恐らく、これらはかなりデフォルメされた小説なのだろうが、ある程度さわやかな印象を受けた青春ものだった。
で、このジャガーというのはモデルがいらっしゃるらしい。
卒業後、一旦はテーマパークに勤めたものの、その後著者の元に戻っている。
東京藝大物語
Kindle版価格:637円
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