垣谷美雨【七十歳死亡法案、可決】
垣谷 美雨 著
税込価格: 648円
出版 : 幻冬舎
ISBN : 978-4-344-42305-3
発行年月 : 2015/02/10
利用対象 : 一般
2020年、高齢者が国民の3割を超え、日本政府は「70歳死亡法」を強制採決する。2年後に施行を控え、55歳の東洋子は義母の介護から解放される喜びを感じながらも、自らの人生の残り時間に焦燥感を隠せずにいた…。【「TRC MARC」の商品解説】
何とも衝撃的なタイトルに、思わず手に取った(ポチった)本。
東洋子は、本当によく出来たお嫁さんだと思う。
わがままな姑。
仕事が忙しいからと義母の面倒を東洋子に任せっきりだった夫は、早期退職して自分だけ世界旅行に出かけるという。
長男は一流大学を出て銀行に就職したエリートだったが、挫折して今は家にいる。だが、何とかしなければと焦ってはいる。
その妹は家を出て、介護の仕事に就いている。祖母を寝たきりにしてしまったことを悔いている同僚と、いつしか心を通じさせていく。
そして、出来すぎたお嫁さんの東洋子も、やがて堪忍袋の緒が切れて……。
しかし一人暮らしをはじめて見ると、自分の意外な才能に気づく。
途中まで、読んでいるのが辛かった。
どうやら希望を持たせて終わるらしいと知っていたから、読むことが出来たのかもしれない。
息子と娘については、紹介文にあったような自分勝手な人間とは感じられなかった。まず変わっていくのが、この兄妹だった。
最後まで(でもないが)どうしようもないのが、夫!一緒に旅行に行った藤田に諭されても、まだ理解出来ない。
この藤田とのやりとりが、泣かせる。こんな風に、改心(?)できる男もいるのだ。
それなのに、無理矢理帰国させられて、我が家の現実を見ても目が覚めない。
しかし、こんな法律が出来ることになったら、本当の反応はどうなるだろう?
面白いのは、総理大臣が国民のことを考えて福祉国家を目指している温厚な人物だというところ。
七十歳死亡法案、可決
Kindle価格:600円
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