佐々木譲【地層捜査】
佐々木 譲 著
税込価格: 605円
出版 : 文藝春秋
ISBN : 978-4-16-790133-2
発行年月 : 2014/07/10
利用対象 : 一般
公訴時効の廃止で再捜査となった15年前の老女殺人事件。元刑事・加納はバブル期の土地トラブルの線を辿るが、謹慎明けの刑事・水戸部は、荒木町の芸妓だった老女の「過去」に目を向ける。【「TRC MARC」の商品解説】
この水戸部の謹慎の原因が、無能なキャリアにそのものズバリの言葉を浴びせたためというのが面白い。
彼は今は相談役となった、当時の捜査員加納と事件の洗い直しをするのだが、途中から加納の言うことに納得出来なくなってくる。
加納がどうしても暴力団関係者だと主張するのに対して、怨恨の線ではないかと感じるようになるのだ。
午後から夜にかけては二人一緒に関係者に聞いて歩くのだが、水戸部は一人の時は違う線を調べていく。
そしてたどり着いた結果は……。
15年前の事件だが、遡れば更に昔のことに及ぶのだった。
地道に少しずつ地元民から聞き出していく水戸部の手法は、うまい。
長い年月があって忘れてしまうことも多いが、年月が経ったからこそ蘇る記憶もある。その辺りをうまくついている。
だが、果たして真相を明らかにするのが正義なのか。
聞き込んでいくうちに浮かび上がってきた新しい事案に関わることで、この件は一旦先延ばしになる。
そこから出てくる水戸部の決意を予測させて、物語は終わる。
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