G・K・チェスタトン【ブラウン神父の童心】
G・K・チェスタトン 著 中村 保男 訳
税込価格: 799円
出版 : 東京創元社
ISBN : 978-4-488-11013-0
発行年月 : 2017/01/12
利用対象 : 一般
奇想天外なトリック、痛烈な諷刺とユーモアで、ミステリ史上に燦然と輝く短編集がリニューアル。ブラウン神父初登場の「青い十字架」、大胆なトリックの「見えない男」、有名な警句で知られる「折れた剣」など全12編を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
「古典的名作」とある。
収録作は、
青い十字架
秘密の庭
奇妙な足音
飛ぶ星
見えない男
イズレイル・ガウの誉れ など12篇。
いずれも30ページほどの短篇なので、サクッと読めるが……。
【青い十字架】では、大泥棒を追うフランスの名刑事が、イギリスまでやってきてそれらしい人物を追うという展開。
相手は神父の服装をしており、近くまで追い詰めたと思ったが真面目な話をしている二人に失策をしたのではとうろたえる。
だが……
と、ここでブラウン神父登場なのだった。
その名警察官が、こともあろうに……。という展開の【秘密の庭】。
名士にとっては、俗世界と如何にかけ離れているかが、ステータスを誇ることになるらしい。
【奇妙な足音】は、同じような色の服装がもたらした錯覚。
ここからは、ブラウン神父とフランボウとの対決になる。
ここまでもそうだが、どれも何かに扮装しているというか、変装しているというか。
そりゃそうだ、見知った人のいる中での犯罪なのだから。
ところがこのあとの【飛ぶ星】で、フランボウは改心してしまい、
【見えない男】では神父と一緒に事件の解決にあたる。
「見えない」というのは、目の前を通り過ぎても「こういう人物」という思い込みがあるとスルーしてしまうこと。
「制服」に化けてだます方法は、よくある手だな。
【イズレイル・ガウの誉れ】では、なんと大泥棒だったフランボウは素人探偵として神父の「友人」となっている。
そして調査を頼まれているのが、スコットランドのお城なのだ。
イギリスの地方の景色描写などが美しいが、このスコットランドの荒涼たる城とその周辺は「マクベス」の世界と同じかもしれない。
そして不可思議な事件もまた。
ではあるが、仰々しいだけであまり面白くなかった。
ブラウン神父の童心
Kindle版価格:640円
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