石持浅海【扉は閉ざされたまま】
石持 浅海 著
税込価格: 648円
出版 : 祥伝社
ISBN : 978-4-396-33406-2
発行年月 : 2008.2
利用対象 : 一般
大学の同窓会で七人の旧友が館に集まった。“あそこなら完璧な密室をつくることができる…”伏見亮輔は客室で事故を装って後輩の新山を殺害、外部からは入室できないよう現場を閉ざした。【「BOOK」データベースの商品解説】より
いわゆる倒叙ものなので、冒頭で犯行場面が出てくる。コロンボものと一緒
【わたしたちが少女と呼ばれていた頃】(17.12.09)の、優佳が高校生1年生だった頃からすると 9年後ということになる。
この本で、優佳は姉の大学のサークル仲間と一緒に行動し、その中の一人を好きになっていた。しかしその恋は片思いに終わってしまったと、優佳が言っていた。
その時の相手が、今回の犯人 伏見なのだ。
本書は、この本よりも先に出版されているので、順に読んでいる人には後付けの感があるかもしれない。
伏見は今回の宿(級友の一人 安藤の兄が経営しているペンション)オープンの時にモニターとして宿泊しているので、館のことを知っている。
安藤の祖父が実際に住んでいた、しかも成城という立地の豪壮なお屋敷。
その特徴を使っての、完全犯罪。の予定だった。
彼らは学生時代に軽音学部に所属していて、その中でも酒が好きというメンバーのグループで、「アル中分科会」と呼ばれていた。彼らにはもう一つ、「臓器提供意思表示カード」を持っているという共通点がある。
その仲良したちのはずなのに、何故伏見は新山を殺そうと決心したのか。
その動機が、どうしても判らなかった。
さて、浴槽に沈めた新山が、発見されるときが来る。
伏見は優佳の鋭い観察眼を恐れる。
だが、真相を見破っているであろう優佳の取った結論は……。
ふと、その昔観ていた宇津井健主演の「ザ・ガードマン」では、殺人に薬を使ったいなかったことを思いだした。
スポンサーの一つが、田辺製薬だったから。
今回は溺死させたのだが、その元になったのは薬だ。
伏見は優佳の冷静な分析を恐れる。
二人は常に冷静で、よく似ていると言われている。
しかし、優佳が高校時代に告白したときも、彼女は「作った表情」をしていた。
一方の伏見は、歓喜して思わず素のままの表情が出てしまう。
それが原因で、伏見は優佳の気持ちを受け入れなかったのだったが。
この優佳という女性は、どうも好きになれない。
今回、伏見は優佳の軍門に下ってしまうのだが、果たしてこの後はどうなるのだろう?
扉は閉ざされたまま
Kindle版価格:324円
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