多島 斗志之【黒百合】
多島 斗志之 著
税込価格: 713円
出版 : 東京創元社
ISBN : 978-4-488-46005-1
発行年月 : 2015/08/29
利用対象 : 一般
六甲の山中にある、父の旧友の別荘に招かれた14歳の私は、その家の息子で同い年の一彦とともに向かった池のほとりで、不思議な少女・香と出会った。
『青春小説だと思っていたらミステリだった。』とか
『伏線は一杯張ってあったのに騙された』といったレビューを読んで構えていたせいか、そんなに意外性はなかった。
登場人物を丹念にメモしておくと、その関係性も判ってくる。
何より時代が昭和10年代と27年、それに20年あたりを行き来するのだが、狭い範囲での人間交流なので、誰がどうなったのかが判ってくる。
一彦の父が勤めているのが宝鏡電鉄で、小柴一造という人物も登場する。
一方、阪神電鉄はそのまま実名(?)で出てくる。
主人公の女の子は神戸女学院に通っているし、その叔母も神戸女学院出身だ。
と書いてきたが、いやー、やはり騙されました。脱帽!時々気になるところもあったし、かなり強引なミスリードありという気もする。と書いたら、負け惜しみに聞こえるかな。
ストーリーから少し離れるが、女学生列車の話も出て来たのが興味深かった。、自分が学生時代に家庭教師をしていた子も、専用列車で通っていた。これは京阪電車の聖母女学院のことだ。この時代よりはうんと後の話だが、懐かしかった。
黒百合
Kindle版価格:610円
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