松本清張【張込み】
松本 清張 著
税込価格: 680円
出版 : 新潮社
ISBN : 4-10-110906-0
発行年月 : 2001.8
利用対象 : 一般
強盗殺人事件を追う刑事は、容疑者が立ち寄ると睨んで、男のかつての恋人を張込む。吝嗇の銀行員と結婚した女は不幸な日々を送っていたが、そこへ容疑者から連絡が入る。二人を追う刑事が見たものは―。
清張はやはり、書かれた時代を追う方がいい。
冒頭、横浜駅から東海道線に乗った刑事二人が、通路に新聞紙を敷いて夜を過ごす場面。
その汽車は、はるか九州まで行くのだ。
峠にかかって展望がひらけた。振りかえってみると遠くに平野が広がっていた。刈入れがすんで一面の田は靿んだ色だった。野積みの稲束が点になって撒かれていた。柚木が二人を追っていく途中の光景。目に浮かぶ。 さだ子は、こうした日常の光景から脱出しようとしていた。
映像では、たしか大木実の柚木役を見たような。
あのときのさだ子は、高峯秀子ではなかったか?
だがこれは、後づけの知識かもしれぬ。ちょうど横山秀夫【半落ち】(05.11.14)で、寺尾聰の顔が離れないように。
しかしこれの映画化は、随分豪華なメンバーだったのだなぁ。
監督が、野村芳太郎。かれは清張作品を、多く手がけている。
脚本は、橋本忍。この頃絶好調。
山田洋次は、本作で橋本に脚本を学び、後に【ゼロの焦点】では橋本と共作しているのだ。
いかん、本書購入の目的は【地方紙を買う女】だったのに。
とりあえず、今回はこれだけでアップしよう。
張込み
Kindle版価格:630円
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