佐野洋【白い刑事】
佐野 洋 著
税込価格: 617円
出版 : 光文社
ISBN : 9784334743086
発行年月 : 2010/09/06
利用対象 : 一般
刑事の仕事は、被疑者の容疑を黒くする材料を集めること。しかし、その嫌疑が、誘導尋問や偽証によって落とされた「冤罪(えんざい)」の陥穽(かんせい)であったなら――。
やはり、佐野洋は面白い。
弁護士と、なんと現職の刑事、新聞記者がタッグを組んで(?)事件を解決するという、ちょっと変わった短編集。
後味は悪くない。いやむしろ、爽快である。
タイトルの「白い刑事」とは、その現職刑事のことである。
出版当時の黒い警察に密かに反旗を翻した「白い」刑事が、物語の発端である。
【相撲好きの女】
【有力者の夢】
【不利な痕跡】
【やさしい後輩】
【嫉妬深い男】
【鍵を握る女】
【似顔絵の男】
【女性に優しい男】
の八編。
すべての作品への登場人物は、上記三人の他に、弁護士の妻と女性弁護士。それに、弁護士事務所の女性事務員。
刑事は甘いものに目がなく、囲碁が好き。弁護士の妻も囲碁に凝っていて、二人は度々手合わせを楽しんでいる。
少しずつ登場人物にも変化が出てきて、刑事と事務員が仲良くなったり、新聞記者はキャップになったりしているが、概ね事件解決へのパターンは同じだ。
だからか、読んでいるときは変化があって面白かったのだが、すべて読んで各タイトルを見ても、それぞれの中身はさっぱり思い出せない。
むしろお汁粉だとか、他のことの方を覚えている。
この頃はまだ携帯はなくて(普及してなくて?)、ポケベルを使っている。
ポケベルというのには、実際にお目にかかったことがない。自分たちで番号を教え合って、それで相手が電話をかけ返すという使い方をするようだ。
佐野洋、もう少し読んでみよう。
白い刑事
Kindle版価格:limited
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