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2018.10.24

内田康夫【盲目のピアニスト】

盲目のピアニスト

51vtfbakxfl_sl500__2内田 康夫 著
税込価格: 518円
出版 : PHP研究所
ISBN : 978-4-569-70039-7
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般

ある日突然失明した、天才ピアニストとして期待される輝美の周りで次々と人が殺される。気配と音だけが彼女の疑惑を深め、やがて恐ろしい真相が……。


【盲目のピアニスト】

この突然盲目になった天才少女(?)が歩行訓練も受けずに一人で歩くようになることに、少々違和感を覚える。
話の筋が読めて、ちょっと興ざめなところも。

とんだとばっちりをくらった「盲目のピアニスト」哀れ。


【愛するあまり】

これは何かで読んだことがある。
自殺した姉は生きているというのまでは思い出せたが、最後は忘れていた。
うまく刑事を追い返して、二人は幸せに暮らせるだろうか?


【陰画の構図】

これが一番面白かった。

帝国ホテルでディナーにカレーを注文するのは、同行者にとってもかなり勇気がいるだろう。
しかしそれが、事件を解決に導いたのだ。

【想像殺人】

こんな風に、精神科医に操られるかもしれないのは、とても怖いことだ。
展開が予測されて、ミステリとしては今ひとつ。


「あとがき」に、はじめての短編集とあるが、著者の作品は長編の方が面白いものが多い。
長編の方が、生き生きと書いてあるような気がするのだ。

と、ツラツラと悪口ばかり書いてきたが、最後の
【濡れていた紐】は、面白かった。

あるロケ隊で、プロジューサーが死んでいるのが見つかる。
参加していた女優に頼まれて推理小説作家が、現地に行く。
自殺ということだが、警察は他殺の線も考えているようだ。

しかし彼が探偵役ではなく、むしろワトソンになってしまった。
ホームズは、警察に少し疑われた女優だった。

辛い動機だし、犯人に同情できる。「もしかしたらこの人」という場面もある。
その密室解決方法はちょっと突飛かなと思われるが、探偵小説では時にある。


本書の全部で展開がある程度読めるのも、短編だからだろうか?


盲目のピアニスト
Kindle版価格:460円


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