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2018.11.16

結城昌治【修羅の匂い】

修羅の匂い

修羅の匂い結城 昌治 著
税込価格: 441円
出版 : 文藝春秋
ISBN : 978-4-16-712208-9
発行年月 : 1993.3
利用対象 : 一般

場末の調査事務所に持ち込まれた五つの依頼は、やがて凄惨な事件へと発展する。著者持ち前の曖昧の美学が光る本格ハードボイルド連作短篇集。

話し手の連木は、はやらない私立探偵をしている。
一人暮らし、家族はない。

ビルの4階は万沢組という組織暴力団の事務所になっている。
3階に入っているのは弁護士で、彼と、隣の結婚相談所の所長からの依頼事で、何とか暮らしている。
1階はビルのオーナーが経営しているスナックである。

冒頭の【脅迫者】は、弁護士が持ち込んできた話。
アクセサリー店経営者の夫からの依頼だ。

この時の被害者と一緒に住んでいた美保は、その後も登場する。

いい解決方法を提示したのだが、違う結果になってしまった。
だがそれは、予感していたことを否定しない、と書いて、突き放している。

幼い女の子は、どうなるのだろう?


【事件の陰に】

隣の部屋の塩野という結婚相談所の所長からの依頼。
夫が浮気をしているので、慰謝料を取って別れたい美容師が依頼主だ。

一応の解決はみたのだが、釈然としないまま事件を追いかけて、違った結論を見つけてしまったという話。


【擦れ違った顔】

犯罪現場近くで「擦れ違った」男を見たという証言から、犯人夫婦の芝居に気づくまで。
なかなか凝った設定だが、よく解らなかった。


【血の陰影】が、よかった。

同じ悲劇は、ごく最近読んだような気がする。同じ著者だったかもしれない。
しかし、椰月美智【14歳の水平線】(18.10.26)のような、使いまわしというのではない。
シチュエーションは似ているが、まったく別の話だ。

途中、おやと思う場面があって、やはりそれがヒントになっていた。


【修羅の匂い】

香水は魅惑的だが、また「その人」を特定する材料にもなる。

流木は、粋な計らいをしたと思う。


修羅の匂い
Kindle版価格:648円


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