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2018.12.05

佐野洋【こわい伝言】

こわい伝言

こわい伝言佐野 洋 著
税込価格: 540円
出版 : 光文社
ISBN : 978-4-334-71456-7
発行年月 : 2010/07/01
利用対象 : 一般

日本推理作家協会では、毎年、その年の雑誌に発表された短編の中から十数編を選び、『年度別推理小説代表作選集』(略称・推理小説年鑑)を出している。1959年以来、著者の作品は毎年必ずこの年鑑に収録されている。

「はじめに」で「短編一年に一つX25」というシリーズの続編であることの紹介があり、

【防衛創】
【さよならの意味】
【禁煙の日】
【一瞬の通過】
【しかし、ふたたび……】
【好きなように】
【こわい伝言】
を収録。

【すれ違い】(18.11.28)が今ひとつ印象に残らなかったのに反して、本書はそれぞれ著者の解説もある故か、どれもかなり面白かった。


【さよならの意味】

究一にとって、過去も含めて周りはすべて敵といってもいい。
その中で、両親の離婚によって別れた父親との再会が、何となく希望が持てるが……。

しかし、ここまでひどい母親もいるものだろうか。


【好きなように】は、一場ものの劇を見ている感がある。
舞台は、マンションの一室。
飲んだあと上司の部屋に上がり込んだ男の前妻は、亡くなっている。

その男の現在の妻が彼を迎えに車での時間、しだいに明らかになっていく真相。

スリリングなミステリに仕上がっていた。


逆に、女性が一緒に帰ってきた男性を部屋に誘う、【こわい伝言】。
そこでも、少しずつ過去が明かされ、やがて……。


それぞれのあとに、著者が執筆された頃のことが追記してあって、そちらも興味深かった。


こわい伝言
Kindle版価格:unlimited


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