佐野洋【轢き逃げ】
佐野 洋 著
税込価格: 802円
出版 : 光文社
ISBN : 4-334-73921-0
発行年月 : 2008.9
利用対象 : 一般
大手精密機器会社課長・守口は、愛人とのドライブ中に人を撥ねてしまった。被害者を置き去りにして逃げた彼は、腹心の部下や車のセールスマンを巻き込み、徹底的な隠蔽工作を図る。次第に迫る捜査の手。被害者の遺族側も真相を探り始め……。
冒頭で轢き逃げ場面が出てきて、あとは被害者や警察など、関係者の話で繋いでいく。
なぜ、被害者はそんな現場にいたのか?
その関係者それぞれの男女関係が、やや複雑だ。
加害者守口と同乗していた、厚子。
被害者の娘逸子は、父の元部下畠山と付き合っている。
その父にも、どうやら娘には隠している女性がいたようだ。
物語は一部・二部に分かれていて、一部は守口が名古屋で死ぬまで。
二部に入ると、一気に話は進む。
父の付き合っていた女性素子も登場し、逸子との交流も始まる。
一方、逸子は畠山との関係を何とかしたいようである。
そこに守口の妻由希江が絡んでくる。
元はと言えば、厚子の存在が招いた事故だったのが、それが元で次々と事件を呼んでしまった。
これら女性たちの物語と言えるかもしれない。
逸子は父や畠山といった男性に頼る暮らしから、自立していこうとしている。
これが本書の、唯一の救いかもしれない。
ここでも、古い本である証拠??
喫茶店のマッチが、一つのヒントになっている。
最近は喫茶店そのものが減ってきたし、マッチを置いているところがあるだろうか?
轢き逃げ
Kindle版価格:unlimited
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